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分析ツール(Google Analytics、ヒートマップ) を使ってサイト訪問したユーザーの行動分析を行う方法

サイト訪問したユーザーは様々な目的を持ってサイト内のコンテンツを閲覧し、最終目的である購入やサービス申込(ここではこれを今後コンバージョンと呼びます)などに辿り着きます。訪問したユーザーはサイト内でどのような動きをしているのでしょうか。今回はユーザーの行動分析についてお話ししたいと思います。

目次

  1. ユーザーの行動分析をする理由
  2. 使用するツールはGoogle Analyticsとヒートマップ
  3. Google Analyticsのユーザーの行動分析データ
  4. ヒートマップで見ることができるデータ
  5. 実際にユーザーの動きを分析してみる
  6. 分析結果をまとめて改善策を見つける
  7. サイト訪問者分析は会社の売上に大きく貢献する

ユーザーの行動分析をする理由

コンバージョンへ至るまでにユーザーがどんな行動をしているのか行動分析し、サイト改善や施策考案に繋げるのがWeb担当者や広告運用者の仕事の一つとなります。

  • TOPページに訪れたユーザーが最初に閲覧しているコンテンツは何か
  • 購入フォームに辿り着いたユーザーが離脱してる理由は何か
  • ユーザーが最も興味関心を持つページやコンテンツは何か
  • 反対にユーザーが興味関心をなくす傾向にあるページやコンテンツは何か
  • 再度訪問した際に、最も閲覧されているページやコンテンツは何か

例えば上記の内容を分析して、サイト改善に盛り込むことで、コンバージョンに至る確率(コンバージョン率)を引き上げていくことを行っていきます。

使用するツールはGoogle Analyticsとヒートマップ

では、実際にどんなツールを用いて行動分析するのでしょうか。アクセス解析ツールとして代表的なものがGoogle Analytics(グーグルアナリティクス)。無料ながらも様々な分析を行うことができるツールです。多くの企業が導入しており、高レベルな分析が行えつつも比較的扱いやすいツールとなります(注1)。

また、ユーザー分析に欠かすことが出来ないのがヒートマップです。ヒートマップとはWebページをユーザーがどう見ているのか視覚的に把握するツールです。Google Analyticsだけでもユーザー分析は可能ですが、ヒートマップを併用することで、より深くユーザーの行動を分析することが可能となります。

注1)Google Analyticsは計測方法が刷新されたGoogle Analytics 4が出てきております。まだ新しく知見などが貯まっていないことも踏まえて、ここでは旧Google Analyticsを用いての分析方法についてお話ししたいと思います。

Google Analytics/サイト内の行動分析に適している

Google Analyticsの計測は、ページ単位を軸に行なわれます。例えば、ユーザーの訪問数やサイトの滞在時間、各チャネルからの訪問経路などをページ単位で計測することが出来ます。訪問したユーザーの動きをページ単位で把握したり、離脱してしまったであろうページを特定することが出来ます。つまり、サイト内でのユーザーの動きについて把握することが出来るのです。

ヒートマップ/ページ内の興味あるコンテンツを浮き彫りにする

対してヒートマップが得意としているところは、ページ内のユーザーの動きを把握できる点です。例えば、ランディングページ内にあるコンテンツで、最も興味を持たれて読まれているコンテンツについて知ることが出来ます。Google Analyticsはページ単位での情報収集は得意ですが、ページ内のコンテンツ単位の情報収集に関しては不得意な分野となります。

Google Analyticsでも設定次第でページ内のコンテンツ単位の情報を取得することも可能ではあるものの、得られる情報が限定的であること、追加設定を行う必要があることなどを考えると、ヒートマップの方が有利な計測方法だといえます。

ヒートマップを使用するメリットとデメリット

Google Analyticsとヒートマップについて説明しました。Google Analyticsは無料で使用できるため既に多くの企業で導入しているかと思いますが、対してヒートマップは有料であるものも多いため導入している企業はGoogle Analytics程は多くないかと思います。では、そのヒートマップを導入するメリット・デメリットについて改めて考えてみたいと思います。

メリット:ユーザーの動きを感覚的に判断することが出来る

ヒートマップを見れば一目瞭然ですが、ユーザーの興味あるコンテンツについてすぐに判断することが出来ます。「ランディングページの上部にあるコンテンツなのにほぼ読まれていない」「ページの下部にあるコンテンツにもかかわらず、注目するユーザーが多い」など。改善箇所についてすぐに判断できるということが大きなポイントで、改善の時間を短縮しつつサイト運用を行うことが出来ます。

デメリット:基本的には有料であり、Google Analyticsに比べて導入しにくい

デメリットとしては、導入するにあたり費用が発生する点となります。改善工数の削減など得られるメリットは大きいものの導入前では実績もないため、数字化しにくく導入するにあたり苦悩しているWeb担当者も多いようです。そのため、ヒートマップを提供する多くの企業で無料のトライアル期間を設けており、まずはトライアルで導入し実績を見ながら本導入へと進めていく流れも少なくありません。現在の各種ヒートマップの無料トライアルについての情報をまとめておきます。導入を考える際に参考にして頂ければと思います。※2021年3月20日時点

ツール名 トライアル 金額 URL
ミエルカヒートマップ あり
※月1万PVまで
9,800円/月~
(月5万PVまで)
https://mieru-ca.com/heatmap/
User Heat(ユーザーヒート) あり
※月間30万PVまで無料
要問合せ https://userheat.com/
Mouseflow(マウスフロー) あり
※14日間のすべての機能が無料
月額2,614円/月~
(月5千セッションまで)
https://mouseflow-jp.com/
Sitest(サイテスト) あり
※3万PVまで
要問合せ https://sitest.jp/
Ptengin(ピーティーエンジン) あり
※3000PVまで
14,800円/月~
(月3万PVまで)
https://www.ptengine.jp/

Google Analyticsのユーザーの行動分析データ

Google Analyticsで確認することが出来るレポートには様々なものがあります。ユーザーの属性を表した「ユーザー属性」レポートや、ユーザーが持っている興味関心を表した「インタレスト」レポート。その他にもユーザーの行動分析を表したレポートも複数存在します。ここからは代表的なレポートについて説明したいと思います。

行動フローレポート

行動フローレポート

行動フローレポートは、訪問したユーザーがどの様に各ページに遷移しているのかを表したレポートとなります。訪問後にユーザーが想定したページに遷移しているのか、また逆にどこのページに流れてしまっているのか等、ユーザー導線が想定した形で行なわれているかを一目で確認することが出来ます。ただし、行動フローレポートはページ遷移を表しているだけであり、具体的なユーザーの動きまで確認することは出来ません。そのため、他レポートも併せて見ていくことになります。

ユーザー属性レポート

ユーザー属性レポート

ユーザー属性レポートは、年齢や性別といった属性についてまとめられたレポートです。訪問したユーザーの年齢層、性別などから想定しているターゲットとズレなどはないかを確認することが出来ます。

インタレストレポート

インタレストレポート

インタレストレポートは、訪問したユーザーの興味関心をまとめたレポートになります。ユーザーの過去の閲覧履歴などを基に分類されています。ユーザーがどんなジャンルに興味を持っているか参考にすることが可能です。

ユーザーエクスプローラー

ユーザーエクスプローラー

訪問ユーザーの中でも、個別の動きを把握するために使用するのがユーザーエクスプローラーです。行動フローレポートと異なり、ある特徴を持ったユーザーの動きを具体的に把握することが出来ます。例えば、コンバージョンに到達したユーザーとコンバージョンに到達しなかったユーザーのサイト内の動きを分析し、差異を基に改善ポイントを抽出していきます。

新規顧客とリピーター・リピートの回数や間隔

新規顧客とリピーター

訪問しているユーザーが、サイトにどれだけ定着しているのかを表したレポートとなります。自発的にリピート訪問するユーザーが多い方が、サイトとして価値を提示出来ているということになります。リピート訪問ユーザーが何%であれば適切であるといった判断基準ではなく、過去のGoogle Analyticsの実績を基に必要なリピート率を割り出し、Webサイト運用の指標としていきます。

コホート分析

コホート分析

コホート分析とは、ある条件で分類されたユーザー群でのサイトへの定着率などの傾向を分析するためのレポートになります。例えば、広告から流入したユーザーの定着率と、自然検索で流入してきたユーザーの定着率を比較して、どちらが長くサイトに居続けるのかを把握します。

イベントトラッキング設定

Google Analyticsには、イベントトラッキングという機能が存在します。これは特定のユーザー行動を計測する機能です。例えば、以下のようなユーザー行動を計測したい場合にイベントトラッキングを設定します。

  • ランディングページ内にある特定のボタンをクリックした数を計測
  • ページ内にある電話番号ボタンをクリックした数を計測
  • ページ内でスクロールされた率を計測
  • 資料ダウンロードされた数を計測 など

これらはGoogle Analyticsのデフォルト機能では計測が出来ないため、イベントトラッキング設定を行い計測していくことになります。これらはマイクロコンバージョン(注2)として設定することも多く、ユーザー分析を行い際に重要な指標となります。

注2)マイクロコンバージョンとは、コンバージョンに至るまでの中間ゴールとして設定するコンバージョンのこと。例えば、申込みがコンバージョンの場合、直前の申込みフォームに到達する場合はマイクロコンバージョンとして計測します。

ユーザーのサイト訪問時間と曜日

これまでのレポートのように、決まった定型レポートとしては存在していませんが、ユーザーの動向を把握する際に有益な指標となりえるのが、ユーザーのサイト訪問時間帯です。例えば、ECサイトであれば、夕方から夜にかけて閲覧するユーザーが多い傾向にありますし、BtoB向けサイトであれば主に平日の閲覧が中心となります。ターゲット層と異なる動きがデータから見えた場合は、想定していない流入が増えている可能性があるため要注意です。

ヒートマップで見ることができるデータ

ヒートマップで確認することが出来るデータは様々ありますが、その中でも代表的なものをいくつかご紹介します。なお、これらの名称はツールにより変わることがありますので、ご注意ください。

アテンションヒートマップ

訪問したユーザーが、最も興味を持つコンテンツについて可視化したヒートマップです。例えば、スクロールを止めて長い時間閲覧していたコンテンツなどが該当し、興味関心が高いと判断できるほど赤く表現されています。ユーザーの興味関心部分に直結するヒートマップとなっており、改善時に見ることが多い指標です。

スクロールヒートマップ

訪問したユーザーが、ページ内で閲覧したページの進度を表したヒートマップです。該当ページを閲覧したユーザーがページ最上部から何%の位置まで読み込んでいるのか(ページをスクロールさせていたのか)を表した指標となります。ランディングページなどで最下部まで読まれることなく、スクロールが終了している場合、ユーザーは途中で興味関心をなくし離脱していると読み取ることが出来ます。

クリックヒートマップ

訪問したユーザーが、クリックした箇所を表したヒートマップとなります。赤くなっている箇所程多くクリックされたことを表しています。実際はボタンとして形成されていない箇所にもかかわらず赤くなっている場合は、ユーザーが誤クリックしている可能性があります。

実際にユーザーの動きを分析してみる

クリックヒートマップ

実際に訪問しているユーザーの傾向を分析して、改善策について考えてみたいと思います。例えば、あなたがWeb担当者として下記のお題に取り組むことになった場合、どのような分析を行うでしょうか。

  • BtoB向けサービス
  • Web広告からの申込数が少なく何らかの対策を取りたい

いきなりデータは見ず、実際のターゲットを把握する

ユーザーの行動分析するためにまず最初に行うべきことはサイトの分析ではなく、訪問しているユーザーのリアルな姿を知ることから始めます。いきなりGoogle Analyticsやヒートマップを見るのではなく、これから自分が知りたいと考えている人たち(以降ターゲットと呼びます)に思いを巡らすことが、分析の第一歩となります。

  • 年齢層はいくつくらいの方が多いのか
  • 性別は男女どちらが多いのか
  • 何らかの決裁権を持っている方なのか
  • 都心、地方どちらの多く存在するのか
  • どの様な興味関心を持つ方が多いのか
  • 何を伝えれば嬉しいと感じるのか など

分析の軸を二つに分ける

申込みに繋がらない理由はいくつも考えられるかと思いますが、まずは大きく下記の2軸に分けて考えてみます。

  • 狙っているターゲットと訪問しているユーザー層にズレはないか
  • ターゲットに向けて伝えたい情報はキチンと届いているのか

コホート分析/Web広告で訪問したユーザーの特徴を知る

コホート分析/Web広告

Web広告から流入したユーザーは全体ユーザーと比べて、サイトの定着率が低い傾向(3日目は0.72%に対して0.38%)を示しています。再訪問しないということはユーザーが求めている情報を届けられていない可能性を示しています。

ユーザー属性レポート/想定したユーザーを連れてくることが出来ているか

多くのサイトでは、Web広告などを用いて新規ユーザーをサイトへ誘導しています。広告で設定しているキーワードにズレがなければ、訪問ユーザー層にも大きなズレは起きないはずです。では、実際の属性にズレがないか確認してみましょう。

ユーザーの訪問時間×曜日

訪問しているユーザー層の多くは平日の時間帯に訪問しており、想定しているターゲット像(ビジネスパーソン)に対して大きなズレはないようです。

ユーザー属性

しかし、訪問しているユーザー属性をみると、閲覧しているユーザーの多くは20代となっており、本来広告を見せていきたい決裁権のあるビジネスパーソンに向けては届けられていない可能性があります。

ユーザーフロー/伝えたい情報はキチンと届いているのか

まずはユーザーフローを用いてユーザーの動きを分析します。分析レポートを確認すると、訪問しているユーザーの大部分は、ランディングページ訪問後すぐに離脱しています。また各ページ・コンテンツに遷移するユーザーはいるものの、伝えたい情報が含まれている商品説明ページ・コンテンツに遷移する数はごく一部しかいないことが伺えます。

ユーザーフロー

ユーザーエクスプローラー/コンバージョンしないユーザーの動きについて把握する

ユーザーエクスプローラー

もう少し詳細まで見てみたいと思います。次はユーザーエクスプローラーを用いて個別のユーザーはどの様な動きをしているのかを分析します。ユーザーエクスプローラーはすべてのデータを見る必要はなく、把握したい属性(今回はコンバージョンに至らなかったユーザー)のユーザーの中からコンバージョンに至らなかったユーザーの一連の動きについて傾向を捉えてきます。

コンバージョンしたユーザーと比べると、ユーザーのセッション時間は非常に少なく、また日をまたいで何度か訪問していますが、コンバージョンに至ることはなく訪問を終えている方がほとんどです。これらのことから「求めている情報に辿り着けなかった」もしくは「求めている情報が存在しなかった」可能性があります。

ヒートマップ/実際にユーザーがコンテンツを読んでいるのか

次にヒートマップを用いて、ランディングページから目的のコンテンツに遷移しない理由を探ります。添付のヒートマップを確認すると、目的のコンテンツ箇所は最もユーザーが興味を持たれているコンテンツ(ヒートマップ内で最も赤くなっている箇所)であることを示していました。しかし、閲覧したページの進度を表すスクロールヒートマップ上では約8%の位置に存在。つまり、ランディングページ訪問ユーザーの約8%ほどにしか目的のコンテンツが届いていない可能性があります。

分析結果をまとめて改善策を見つける

ここまでの分析内容をまとめると、下記の通りになります。

  • 訪問しているユーザーの時間帯は、ビジネスパーソン寄りで大きな問題はない
  • 訪問しているユーザー属性は20代が中心であり、決裁権を持つ層と異なる可能性がある
  • 訪問している多くのユーザーは、ランディングページから早期に離脱もしくは想定していないページに遷移している
  • 求めていた情報を見つけることが出来ず離脱している可能性がある

改善①サイトの構成を変更し、ユーザーに伝えたい情報を届けるようにする

ヒートマップにより、大部分のユーザーは情報が届くことなく離脱していることが分かりました。そのため、まずはランディングページのコンテンツの入れ替えといった改修を進めていくことが重要になります。

ヒートマップやユーザーフローを見る限り、申込数の伸び悩みはについては、そもそも伝えたい情報がユーザーに届いていない点が原因として考えられます。まず行なうこととしてサイト構成を見直すことが必要です。主に修正を入れる点として下記が挙げられます。

  • ランディングページの上部に伝えたいコンテンツを移動する

改善②Web広告を変更。決裁権のある層への広告配信を強化する

流入するユーザー層に修正を加えます。主に下記の内容を検討します。

  • 配信するユーザー層の年齢を30代以降に絞り込む
  • リピート訪問するユーザーが少ないため、リターゲティング施策を強化
  • 決裁権のあるユーザーに配信したいため、Facebook等「特定の役職者に対して直接ターゲティングできるWeb広告」も用いて広告配信を行う

サイト訪問者分析は会社の売上に大きく貢献する

ユーザーの行動分析と言うと難しく聞こえてしまいますが、一つ一つデータを読み解いていけば誰でもユーザーの動きは把握することが出来ます。分析の先には必ず売上拡大・事業拡大といった経営目標が存在します。効果的な分析へと繋げていくためには闇雲に動くのではなく、効果が見込めるところを狙って分析・改善を行っていく必要があります。

ユーザー分析はボリュームのある層を優先する

ユーザー分析する際は必ずボリュームのある層から手を付けていくことを心掛けましょう。分析は時間もかかりますし、どこまでいってもゴールがあるわけではないので、最も効果的な分析になるよう意識しながら動いていくことが重要になりなます。

定点観測の形で行い、訪問しているユーザーのニーズの変化を把握する

ユーザーの求めているニーズは少しずつ変わっていきます。今は最適なサイト構成であったとしても、時間が経過するにつれてユーザーニーズとマッチしなくなってくることも考えられるため、定期的にユーザー行動の分析は行なうようにしておきましょう。Web上の変動について一番詳しく状況を把握できているのは、分析を行っているあなたになります。あなたの分析・提案が会社の売上を大きく上げていくのです。