2021年2月に電通より発表された「2020年 日本の広告費※1」によると、全体の広告費は前年比88.8%と低迷する中、インターネット広告費は21048億円から22290億円の前年比105.9%と成長を続けています。とりわけECプラットフォーム広告費は1061億円から1321億円の前年比113.3%と伸びしろが大きく、2021年以降は経済回復に伴う広告需要の増加によりさらなる成長が見込まれます。※1 2020年 日本の広告費
そのような背景の中、近年注目を集めているのが消費者とのファーストコンタクトからリピート購買に至るまでのプロセス全体をカバーするフルファネルのマーケティング施策。以下ではフルファネルマーケティングのためのデータフィード広告について解説していきます。
フルファネルマーケティングとは?
フルファネルマーケティングとは認知・興味・検索・比較検討・購買・リピートといった消費者の購買プロセスに対し広告の配信先や予算、クリエイティブを最適化する施策を指します。例えば、認知・興味の段階ではFacebookやInstagram広告を用い、検索の段階ではGoogleショッピング広告やリスティング広告を活用、比較検討・購入の段階ではcriteoやRTBHOUSEのリターゲティング広告を用いることで購買プロセスに合ったアプローチが可能になります。
購買プロセスを網羅することで広告の精度が向上
広告運用を最適化して売上を拡大していくためには、機会損失を防ぎつつ新規顧客を獲得していくこと。さらには既存顧客のリピートやアップセルなど各プロセスに最適な広告戦略が大切です。各プロセスの消費者の行動を理解し、ニーズに近い広告を配信していく施策。それが「フルファネルマーケティング」です。
フルファネル×カスタマージャーニーマップで広告媒体を選定
精度の高い広告運用を行うためにフルファネルと並行して活用したいのが「カスタマージャーニーマップ」です。カスタマージャーニーとは、消費者が商品やサービスを認知し購買に至るまでのシナリオです。フルファネルと合わせてカスタマージャーニーマップを活用し、消費行動の可視化を行うことで最適な広告媒体の選定が可能になります。
例)アパレルECサイトのカスタマージャーニーマップとフルファネルの広告運用
アパレルECサイトのカスタマージャーニーマップを想定します。まずファッション系サイトの記事で認知、Instagramストーリーズで発見して興味を持ち、ブランド名のハッシュタグ検索を利用して複数の画像を閲覧、検索エンジンで「ブランド名 通販」のキーワードを入力すると、まずGoogleショッピング広告が目に入り、検索上位3つのサイトで価格やサイズをチェック。気に入ったものの週末にショッピングモールで実物や類似品を見てから購入に至るとします。
このようなカスタマージャーニーを想定しフルファネルで広告配信を行う場合、認知・興味段階ではInstagramを中心にcriteo、Google動的ディスプレイ広告でサポート、検索段階ではGoogleショッピング広告を利用するとともにリスティング広告の指名検索を強化します。
比較・検討~購入のファネルではGoogle動的リマーケティング、criteo、RTB HOUSEを活用しリターゲティング広告を出稿して購買を喚起します。このようにフルファネルで広告出稿を行う場合はカスタマージャーニーマップと合わせて考えることでより精度の高い運用が可能になります。
フルファネルの広告運用にはデータフィードの活用が必須
フルファネルの広告運用を行う場合、消費者の購買プロセス毎に出稿する広告媒体が異なるため広告媒体毎にフィードデータを作成し、広告を配信する必要があります。
しかし、自社サイトが保有している膨大なデータをGoogleやcriteoなど媒体毎のフォーマットに適合させるという作業は工数も大きく、カテゴリが上手く分類できないなど難しいケースが大半です。
そこでフィード作成の精度と手間を大幅に削減する解決策として近年注目を集めているのがデータフィードツールです。
データフィードとは?
データフィードとは自社サイトの商品データを各広告媒体のデータフォーマットに一括で変換する技術。つまり、ツール内で一度フィードを作成してしまえば、ツールが提携している広告媒体のフォーマットに自動で変換してくれるということになります。
大手ECモールなどで商品を閲覧した後、別サイトの広告枠で同じ商品の広告を見かけたことはないでしょうか?これはデータフィードの技術による広告配信です。
データフィードの活用によりフルファネルの広告運用におけるオペレーションを一元管理することができ作業も簡素化されるため、配信精度を高めつつ高速でPDCAを回し運用の効率化を図ることができるようになります。
データフィード広告に向いているビジネスと規模
データフィード広告は自社に一定量の商品データを保有しているビジネスであれば有効活用することができます。以前は多額の広告費を運用する大企業の活用が多い傾向にありましたが、近年は広告の種類やデータフィードツールの普及に伴い、広告費50万円/月~100万円/月規模の中小ビジネスもデータフィード広告を活用してフルファネルの広告運用を行っています。
例えば、EC物販や宿泊施設、不動産、人材などターゲティングの重要性が高く、情報の流動性が高いビジネスにおいては自社と配信先のデータをマッチングさせデータを定期的に更新することでより精度の高い広告運用が可能になります。
データフィード広告に不向きなケースは?
データフィード広告は在庫の変動が少なく商品点数も少ないビジネスの場合、媒体側の更新頻度も少なくなりテクノロジーの恩恵を受けられずに思うような費用対効果を得られない可能性があるため注意が必要です。
DFOマネージャーならデータ取得・フィード作成・広告配信を一元管理
「手動で作成しているためフィードを最適化できていない」という方から「フィードデータの作成方法がわからない」といった初心者の方まで専門知識なしでフィード作成が可能なツールがDFOマネージャーです。
DFOマネージャーではGoogle、criteo、RTBHOUSEをはじめ30社以上の媒体に対応しているためシームレスに広告を配信できフルファネルの広告運用が可能となっています。クローリングオプションによるマスターデータの取得・整形からフィードの作成、広告媒体との連携、データフィードの更新まで一つのツール内で完結させることができるため、広告運用の内製化を検討中の方にもおすすめです。