Google動的検索広告とはGoogle検索連動型広告の中の機能の一つです。ユーザーの検索とキーワードをマッチングして広告を表示する検索連動型広告に対して、動的検索広告はクローラーが広告ページを解析し、ユーザーが検索した語句と高い関連性があるときに広告を表示します。
2013年に行われたGrow Business with Google & Google Partnersでは「(検索連動型広告について)入札キーワードと完全に一致しない検索語句の割合は70%にのぼる」と発表されていますが、動的検索広告はその機会損失を埋める役割を担います。
動的検索広告(DSA)の出稿に必要な情報
Google動的検索広告(Dynamic Search Ads)は広告したいWebページの情報を自動的に解析してくれるため検索連動型広告のようなキーワード選定が不要になります。
Google動的検索広告では、出稿にあたって設定するのは次の3点です。
- 広告の遷移先となるサイトのURL(URL単位で指定可能)
- 入札単価
- 広告として表示されるテキスト
Google動的検索広告(DSA)のメリット
Google動的検索広告を利用することで得られるメリットは大きく4つあります。
ロングテールのキーワードを拾うことができる
検索連動型広告では膨大なキーワードをリストアップして設定を行いますが、実際にユーザーが検索すると考えられるキーワードをすべて網羅するほぼ不可能。しかし、Google動的検索広告は広告したページをGoogleが自動で解析し、ユーザーの検索語句とマッチングしてくれるため検索連動型広告では拾いきれないロングテールキーワードを拾うことができます。
新たなキーワードを発掘できる
Google動的検索広告に利用されるGoogleのAIはキーワードの組み合わせパターンを学習するため、CVRに貢献する「新たなキーワード」を見つけ出してくれる可能性があります。特にSEO対策を目的として十分な情報を持ったページなどは、Google動的検索広告での内容抽出の効果が出やすく、多くのキーワードを抽出することができます。
手間なく広告を出稿できる
動的検索広告はキーワードの設定が必要ないことに加え、全角40文字の説明文を一つ用意するだけで広告タイトルが自動で表示される仕様のため、手間なく広告を出稿することができます。特にECサイトや不動産、人材など多様な商品サービスを取り扱つ、情報の入れ替えが激しいビジネスの場合、手間なく最適化した広告を作成することができます。
Google動的検索広告(DSA)の注意点
動的検索広告は手間なく広告を出稿できるサービスですが、自動化ゆえのデメリットも存在するため、あらかじめチェックしておきましょう。
画像メインのWebページは正確性に欠ける場合あり
商品説明が画像で構成されているページではクローラーに内容を正確に理解してもらえない可能性があります。動的検索広告を利用する場合は十分な量のテキストが含まれるページを出稿しましょう。
入札単価の個別設定と広告タイトル編集ができない
動的検索広告ではキーワードが自動で選定されるため個別の入札単価を設定できず、広告タイトルの編集ができません。
ビッグキーワードの出稿は効果が上がりにくい
月間検索回数の大きなキーワードは競合も多く、自動運用で高い効果を出すのは難しいです。このようなキーワードでの出稿を行う場合は検索連動型広告の方で対処するほうが高い効果を望めます。
動的検索広告(DSA)の設定方法
動的検索広告は
- Google広告内でキャンペーンの作成
- キャンペーン内に広告グループとして動的検索広告を設定
という手順を取ります。
キャンペーンの作成
Google広告管理画面 > キャンペーン から新しいキャンペーンを作成します。
目的に合わせて、目標を設定します。目的によって選択できるキャンペーンタイプに差があります。
ここでは「検索」を選択します。
キャンペーンタイプを選択すると現れる目標の中から任意の目標を選択してください。
キャンペーン名とネットワークを設定します。
キャンペーン名は任意で、ネットワークに関してはチェックを外すことを推奨します。
「詳細設定」を展開し、キャンペーンの開始日と終了日を設定します。
同じ「詳細設定」内にある動的検索広告の設定で
ドメイン:出稿するサイトのURL
サイトの言語: 例えば日本語
ターゲティングソース:Googleインデックスを使用する
を選択します。
ターゲティングとオーディエンスを設定します。
広告を出稿する地域と言語を設定します。
予算と入札単価を設定します。
一日あたりの広告予算を入力し、単価設定はコンバージョンを重視、目標コンバージョン単価も入力します。
広告グループ内に動的検索広告の設定
広告グループを開き、動的広告を選択します。
「特定のウェブページを対象とするルールを新しく設定します」を選択し、広告の遷移先となるサイトURLを入力。追加を押して右側にリストアップさせます。ここで入力されたURLの内容をGoogleが解析します。
次に広告の設定を行います。通常のGoogle広告に比べて設定項目が説明文の2つだけと少ないのがおわかりいただけると思います。リスティング広告のようにプレビューも表示されます。
完了を押すことで広告グループが作成されます。
フィードデータによるターゲティング
動的検索広告はフィードデータを使うことで簡単にターゲティングが可能です。
ターゲット設定にはスプレッドシートを用いてフィードを作成するか、Googleが提供しているテンプレートを用いることも可能です。
フィードデータの作成
動的検索広告で使うフィードデータはPage URLとCustom labelの2つを記載します。
Page URLには、ターゲットとなるウェブページのURLを指定します。
Custom labelには、それぞれのPage URLを分類するための独自のラベルを指定します。セミコロン(;)で区切ることで複数のラベルを設定することも可能です。このラベルを用いてターゲティングを行っていきます。
フィードデータのアップロード
フィードデータを整えたらアップロードを行います。
上部メニュー「ツール」内のビジネスデータをクリックします。
ビジネスデータ画面、左メニューのデータフィードから新規作成でページフィードを選択します。
作成したページフィードをアップロードします。
アップロードが成功するとページフィードがリストに表示されます。
ターゲット設定
次にページフィードのデータを用いてターゲット設定を行います。
動的検索広告のキャンペーン設定の中にある動的検索広告の設定で、ターゲティングソースにページフィードを指定します。
共有ライブラリの中に入っているページフィードを選択します。
これでページフィード内のカスタムラベルが選択できるようになりました。
左メニューの動的広告ターゲットから新規ターゲットの追加を行うと、フィードのカスタムラベルが選択できるようになっています。
追加したいカスタムラベルを入力して追加を押すと、下部の動的広告ターゲットにリストアップされます。
これで左メニューの動的広告ターゲットからフィードのカスタムラベルを選択できるようになります。
まとめ
Google動的検索広告は、検索連動型広告などの広告運用をはじめSEO対策など様々なWebマーケティング施策との相乗効果が見込める広告サービスです。特に広告は「検索連動型広告のみ利用している」という方はGoogle動的検索広告を利用することでより効果の高い広告運用が期待できます。
Google動的検索広告はDFOマネージャーでフィード作成可能
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