Google広告のショッピング広告やスマートショッピングキャンペーンを実施している方にとって、Google Merchant Center にアップロードしたフィード内の商品アイテムが不承認となるのは大変怖いこと。なぜなら、商品アイテムが不承認になることで、その瞬間から広告掲載ができなくなるからです。
そのような事態に陥って困っているケースを想定して、問題解決に必要な情報と具体的な対応方法をまとめていきます。商品アイテムが不承認となり、それに伴って広告掲載も停止してしまっている時のご参考にしてください。
目次
商品アイテムの不承認の根本的な理由とその影響
その場しのぎで商品アイテムの不承認を解消していくこともできますが、不承認の根本的な理由を知らなければ、その後に同じような理由で不承認が発生して余計な工数となってしまいます。その為、なぜ不承認が起きるのかということの理解を深めておくことは大切です。
また、万が一、不承認が発生してしまった時にどんな影響が出るのかも併せて理解しておきましょう。不承認が理由となる影響は当然「悪い影響(つまりリスク)」になりますので、場合によっては不承認の解消と並行して別施策の実施等を検討する必要が出てきます。
ユーザー第一という考え方
Googleは「ユーザー第一」という考え方で様々なサービスを提供している企業です。当然、Googleが提供するGoogle広告のショッピング広告でも同様の考え方が採用されています。実際、Google Merchant Center ヘルプを確認すると、「ユーザーが安心してオンラインでのショッピングを楽しめるよう、広告の法的要件を示した販売者向けのショッピング広告のポリシーを定めている」といった内容を確認することができます。
つまり、Googleに「ユーザーが安心してオンラインショッピングできない」と判断された商品アイテムはポリシー違反とみなされ、その商品アイテムは不承認になるということです。「ユーザーが安心してオンラインショッピングを楽しめないような商品アイテムは不承認になる」というのが商品アイテム不承認の根本的な理由となります。
警告とアカウント停止
商品やWebサイトは、ポリシー違反していないかどうかを定期的に審査されています。その結果、ポリシーに準拠していないと判断された場合は、警告メールが届きます。この警告メールが届いた場合、通常7日間の猶予期間のうちに問題解消しなければいけません。そして、この猶予期間のうちに問題解消しなかった場合、Google Merchant Center アカウント停止の措置を取られることとなります。
基本的には、商品アイテムの一部が不承認になった程度では警告メールが届くことはありませんが、Google Merchant Center アカウントを開設したばかりの時期は特に厳しく審査されていますので、そのような時期においては商品アイテムの一部が不承認になるだけでも警告メールが届くこともあります。常に注意は必要ですが、Google Merchant Center アカウントを開設したばかりの時期は特に注意が必要です。
なお、重大なポリシー違反をしている場合は、警告メールが届くことなく一気にGoogle Merchant Center アカウントの停止となることもあります。ユーザー第一の考え方に則り、ポリシー違反をすることのないよう細心の注意を払っていきましょう。
不承認発生時は、商品アイテムの修正か削除が必要
不承認が発生したら、可能な限り迅速に不承認となった商品アイテムを修正しましょう。不承認となった商品アイテムに関する情報を商品フィードに残したままにしておくと、先に述べたアカウント停止に繋がる危険性があるからです。
なお、修正では不承認を解消できないケースも存在します。絶滅危惧種に関連するような商品を商品アイテムとして商品フィードに含めているなど、そもそも商品フィードに含めることがNGな商品アイテムが不承認となっているケースです。この場合は、不承認を解消することが不可能となりますので、該当の商品アイテムを削除しましょう。
よくある不承認と対応方法
先に解説しました通り、不承認の根本的な理由は「ユーザー第一に考えた時に安心して注文できる商品でないと判断されたから」です。その為、ユーザー第一の考えに適していない場合は、どんな場合であっても不承認となる可能性があります。不承認となるパターンは無数に存在するということです。
しかしながら、真っ当にビジネスをしており、悪意なく商品フィードを作成している場合、ある程度は「よくある不承認パターン」に該当する形で不承認が発生しています。意図せず不承認となっている場合は、人為的ミスによる不承認が多いからです。
なお、人為的ミスには「システムを使って商品フィードを作成している場合」も含まれます。その場合でも、商品フィードの作成に関する設定を人が行いますので、その設定ミスは人為的ミスであるからです。では、よくある不承認と対応方法を解説していきます。
ランディングページに問題がある
ランディングページに問題がある場合、「モバイルランディングページにアクセスできません」「PCランディングページにアクセスできません」などの不承認理由がGoogle Merchant Center 管理画面の商品情報ページに表示されます。
この場合、全てのユーザーが該当商品のランディングページへアクセスできる状態になっているか確認して、全てのユーザーがアクセスできるようにしてください。どのデバイスでも、どのエリアでも、どのブラウザでもアクセスできるようにする形です。
なお、稀に「robots.txt」ファイルによって意図せずGoogleのクローラーがランディングページへアクセスするのを拒否しているケースもありますので、こちらについても併せて確認しておくと良いでしょう。
画像に問題がある
画像に問題がある場合、「画像の品質が低すぎます」「画像が小さすぎます」「画像[画像リンク]でプロモーションのオーバーレイが発生しています」などの不承認理由がGoogle Merchant Center 管理画面の商品情報ページに表示されます。
この場合、「画像の品質が低すぎます」「画像が小さすぎます」などといった「画像の質」に問題があるなら、800×800ピクセル以上の鮮明な画像を再度登録してください。一方、「画像[画像リンク]でプロモーションのオーバーレイが発生しています」などといった「画像の表現」に問題があるなら、商品以外の全ての要素を画像から省いてから画像を再度登録してください。
なお、「プロモーションのオーバーレイ=商品以外の全ての要素」となりますが、よくあるのが「プロモーショナルテキスト(20%OFFや送料無料などの宣伝用文言)」や「ブランドのロゴ」を商品画像に含めているケースです。商品画像は、あくまで「商品そのもの」だけが写っている画像を使用しなくてはいけません。
価格に問題がある
価格に問題がある場合、「値が一致していません[価格]」などの不承認理由がGoogle Merchant Center 管理画面の商品情報ページに表示されます。
この場合、該当商品のランディングページと商品アイテム情報の価格が不一致になっていないか確認し、価格が一致するように商品アイテムの情報を修正してください。例えば、ランディングページでは「1,000円」になっているにもかかわらず、商品アイテムの情報では「900円」になっているとこのような理由の不承認が発生します。
なお、セールなどの時に価格の不一致に関する問題は発生しやすく、それは「セール開始時刻」と「商品フィードの更新タイミング」にズレが生じやすくなるからです。そうならない為には、セール開始と同時に最新版の商品フィードをGoogle Merchant Center へアップロードすることをお勧めします。
在庫状況に問題がある
在庫状況に問題がある場合、「値が一致していません[在庫状況]」などの不承認理由がGoogle Merchant Center 管理画面の商品情報ページに表示されます。
この場合、該当商品のランディングページと商品アイテム情報の在庫状況が不一致になっていないか確認し、在庫状況が一致するように商品アイテムの情報を修正してください。例えば、ランディングページでは「在庫なし」になっているにもかかわらず、商品アイテムの情報では「在庫あり」になっているとこのような理由の不承認が発生します。
なお、価格の不一致が起こりやすい場合と同様に、セールなどの時に在庫状況に関する問題も発生しやすいです。短期間で大量の注文が発生することで在庫が一気に減少する為、通常の更新サイクルで商品フィードを更新していると、商品フィードに記述した在庫状況が実際の在庫状況を反映しない形になる為です。そうならない為には、セールなどの期間中は、最新版の商品フィードをGoogle Merchant Center へアップロードする頻度を増加させることをお勧めします。
固有商品IDに問題がある
固有商品IDに問題がある場合、「IDが指定されていないため、パフォーマンスが低下しています[gtin、製品番号、ブランド]」「値が指定されていないため掲載結果が制限されています[gtin]」などの不承認理由がGoogle Merchant Center 管理画面の商品情報ページに表示されます。
この場合、GTIN(国際取引商品番号)がある商品かどうかを確認した上で、それぞれ適切に商品フィード内の商品アイテムの情報を修正していきます。
GTIN(国際取引商品番号)がある商品の場合は、「gtin [gtin]」「brand [ブランド]」「mpn [製品番号]」に適切な値が記述されているか確認し、修正・登録してください。一方、GTIN(国際取引商品番号)がない商品の場合は、「brand [ブランド]」「mpn [製品番号]」に適切な値が記述されているか確認し、修正・登録してください。
商品自体に問題がある
商品自体に問題がある場合、「攻撃的または不適切なコンテンツ(脅威または絶滅した種を利用)」「偽造品(不適切なコンテンツ)」「絶滅の危機に瀕している種を利用する行為」などの不承認理由がGoogle Merchant Center 管理画面の商品情報ページに表示されます。
この場合、該当の商品自体は商品フィード内に含めることができませんので、該当商品の商品アイテムを商品フィードから削除してください。
Google Merchant Center には通販可能な商品の情報を商品フィードという形でアップロードできますが、法律で規制されているような商品は「ユーザー第一の考え」に反するものであり、アップロード不可となります。
商品フィード修正後の対応
商品アイテムの不承認を解消する為に商品フィードを修正しても、もちろんそれで終わりというわけではありません。不承認状態の商品アイテムを承認状態にし、広告掲載を再開できて問題解消となります。商品フィード修正後にやるべきことを解説していきます。
修正した商品フィードをアップロードする
商品フィードの修正が完了したら、その商品フィードを Google Merchant Center へアップロードしましょう。手動アップロードしているなら Google Merchant Center へログインして、手動で商品フィードをアップロードします。自動アップロードしているなら、 Google Merchant Center の商品情報取得元となるファイルを修正後の商品フィードで上書き更新して、自動アップロードされる指定の時間まで待ちます。
なお、自動アップロードされる指定の時間まで待ちたくない場合は、 Google Merchant Center へログインして、商品情報の取得時間を早めることも可能です。期間限定セール開催目前のタイミングであるなど、急ぎの対応が必要であれば、商品情報の取得時間を早めるようにしましょう。
アップロード完了後に審査状況を確認する
商品フィードのアップロードが完了したら、不承認となっていた商品アイテムの問題が無くなっているか確認しましょう。確認の手順は以下の通りです。
- Google Merchant Center の管理画面にログインする
- 左メニューの項目「商品」内の「すべての商品」をクリック
- 商品一覧が表示されるので、フィルタ機能で項目「ステータス」で「不承認または無効」と「保留」を選択
- 商品一覧に何も表示されないことを確認
この手順を行い、商品一覧に何も表示されなければ、不承認の商品アイテムは無くなったということになります。万が一、不承認となった商品アイテムが表示されるようであれば、再び商品フィードの商品アイテムの情報を修正・削除して、商品フィードをアップロードし直しましょう。
なお、商品アイテムの審査には数日かかることがあります。早ければ商品フィードのアップロード後に数時間で審査完了しますが、数日という審査時間がかかることもあることに注意しましょう。そういったことがあることを考えても、商品アイテムの不承認は放置せず、迅速に解消へ向けて対応していくべきと言えます。
広告掲載の再開を確認する
商品フィード内の不承認が無くなったことを確認したら、広告掲載が再開されているかどうかも確認しましょう。 確認の手順は以下の通りです。
- Google広告の管理画面にログインする
- 画面右上の期間から「不承認が無くなった日以降の日付」を選択
- 左メニューのキャンペーン一覧から該当のキャンペーンをクリック
- 中メニューの項目「商品グループ」内の「商品」をクリック
- 商品一覧が表示されるので、フィルタ機能を使って不承認となった商品アイテムの広告の表示回数が計上されていることを確認
この手順を行い、不承認となっていた商品アイテムの広告の表示回数が計上されていれば、不承認となっていた商品アイテムの広告が問題なく広告掲載再開したということになります。検索ボリュームの小さい商品だと広告の表示回数が計上されてこないこともあり得ますが、その場合は自分でその商品の名称をGoogle検索するなどして広告掲載が再開されたかどうか確認するようにしてください。
なお、商品アイテムが審査で承認されても、すぐに広告掲載が再開されないことがあることに注意しましょう。商品アイテムが審査で承認されてから24時間以内に広告掲載再開されるといった内容が Google Merchant Center ヘルプにも記載されています。
広告掲載の再開後は成果が悪化する可能性もある
商品フィード内の不承認が解消されれば、ショッピング広告やスマートショッピングキャンペーンの広告掲載は再開することができます。しかし、不承認によって広告掲載が停止していた期間があると、広告成果に悪影響を与える可能性があることに注意しましょう。
近年では機械学習を活用した自動入札機能(入札方式「目標費用対効果」や入札方式「コンバージョン値の最大化」など)を使って広告オークション発生時の入札単価を自動的にコントロールする広告運用スタイルが一般的ですが、広告掲載停止期間中は広告配信データが欠損することになる為、自動入札機能の精度が落ちてしまいます。
広告の表示回数が減少したり、クリック単価が高騰したり、不承認解消後の広告掲載では以前と比較して各広告指標の数値悪化が見られることがあります。直近の広告配信データが欠損している為に上手く自動入札機能が動作していないことで起こる現象となりますので、以前の設定に拘り過ぎず自動入札機能の入札単価や日予算の設定に微調整を加えていきましょう。
そして、今後はこのような余計な調整作業に工数や時間を割くことのないよう、商品フィードの管理・最適化を徹底していくことをお勧めします。