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Google広告:ショッピング広告の最適化。キャンペーン設定・フィード作成・運用方法まとめ

Googleショッピング広告最適化

Google広告のショッピング広告を利用している場合、当然ながら「注文獲得」を狙って広告配信していると思います。その場合、KPIとしては「ROAS」もしくは「CPA」に目標値を定めて、その実績値を踏まえて広告最適化を行っていることでしょう。

そのような一般的なショッピング広告の利用を想定し、この記事では「ROAS・CPAの目標値を達成しながら、コンバージョン数を増加させる為の最適化方法」をまとめています。通常の検索連動型広告と比較して、最適化方法が若干異なりますので、是非ご参考にしてください。

目次

  1. ショッピング広告の最適化に関する基本知識
  2. Google広告管理画面内のキャンペーン設定に関する3つのポイント
  3. 商品フィード最適化に関する5つのポイント
  4. 広告運用時の調整方法
  5. ショッピング広告は確度の高い見込客をサイトへ誘導できる

ショッピング広告の最適化に関する基本知識

具体的な広告最適化の作業に関する解説の前に、ショッピング広告の広告最適化について基本知識から解説します。広告最適化を実施する上での原理原則の部分を理解せずに作業を実施しようとしても作業しにくいですし、その先に応用もできない為です。

機械学習による広告配信の自動化を目指すこと

ショッピング広告の入札方式は、「手動入札」「拡張クリック単価入札」「目標費用対効果入札」「コンバージョン値の最大化入札」「クリック数の最大化入札」から選択可能です。広告掲載開始したばかりの時期であれば「手動入札」や「拡張クリック単価入札」といった手動入札を利用してもいいのですが、最終的には目的に応じて「目標費用対効果入札」「コンバージョン値の最大化入札」「クリック数の最大化入札」といった自動入札を使用するようにしましょう。

入札種別 入札方式名称 内容
手動 手動入札 広告オークションへ指定した上限クリック単価で参加する
手動 拡張クリック単価入札 一部の広告オークションへは指定した上限クリック単価で参加し、一部の広告オークションへはコンバージョンに繋がる可能性に応じて単価調整されたクリック単価で参加する
自動 目標費用対効果入札 広告オークションへ指定した費用対効果になるよう自動的に単価調整されたクリック単価で参加する
自動 コンバージョン値の最大化入札 広告オークションへ指定した予算内でコンバージョン値が最大化するよう自動的に単価調整されたクリック単価で参加する
自動 クリック数の最大化入札 広告オークションへ指定した予算内でクリック数が最大化するよう自動的に単価調整されたクリック単価で参加する

自動入札を使う理由は、広告オークションごとにリアルタイムで最適な入札単価を設定してくれるからです。検索語句・ユーザー属性・行動履歴・位置情報・時間帯など様々なシグナルをもとに、確度の高いユーザーへの入札単価は引き上げ、確度の低いユーザーへの入札単価は引き下げます。24時間365日、これを手動で行い続けるのは絶対に無理です。

基本的に学習データは多ければ多いほど良い

広告オークションごとにリアルタイムで最適な入札単価調整を行うには自動入札を活用するのが良いわけですが、その自動入札の精度を高めるのに必要なのが「学習データ(広告配信データ)」となります。自動入札は機械学習を使っていますので、機械学習を促進する学習データをできるだけたくさん収集するようにしましょう。

  • ショッピング広告に掲載する商品数を増やす
  • 入札単価はできるだけ引き上げる
  • 予算はできるだけ引き上げる

このように、広告配信の強化をする調整を無理のない範囲で行うことが大事です。目の前のROASやCPAの成果に一喜一憂して「抑制した広告配信」だけを行っていると、学習データの蓄積はなかなか進みません。そうなれば、自動入札の精度が低いままの広告配信を継続することとなってしまいます。これは「目に見えない損」を自ら招いている状況ですので、非常にもったいないです。

ショッピング広告の最適化対象

広告配信の自動化、自動化の精度を高める為の学習データ収集に関して理解したら、あとは実際にショッピング広告の広告最適化作業を行っていきます。ショッピング広告の広告最適化の対象となるのは、大きく分けると「Google広告管理画面内のキャンペーン設定」と「Google Merchant Center内にアップロードする商品フィード」の2つが基本になります。

この2つを最適化した上で広告掲載を開始し、掲載結果を踏まえて「Google広告管理画面内のキャンペーンや広告グループの設定内容に対する調整」行うのがショッピング広告の広告最適化となります。それでは、それぞれ何をどのように最適化していくのか以下で細かく解説していきます。

Google広告管理画面内のキャンペーン設定に関する3つのポイント

キャンペーン設定の最適化は、「ショッピング広告にできるだけ多くのシグナルを送る状態にすること」が鍵になります。

Google広告管理画面内のキャンペーン設定を適切なものにする為には、以下の3つのポイントを中心に適切な設定にしていくのが大事です。「ポイント1.入札方式」以外は、最初に設定してしまえば普段変更することはありませんので、最初の段階でしっかりと設定を済ませてしましょう。

ポイント1.入札方式

入札方式は「目標費用対効果入札」の利用を推奨します。先にお伝えしました通り、自動入札機能を活用することを前提に広告最適化していくわけですが、自動入札機能の「目標費用対効果入札」「コンバージョン値の最大化入札」「クリック数の最大化入札」の中でも、指定したROASでの安定した広告配信を行う入札方式が「目標費用対効果入札」だからです。

ただし、一般的には費用対効果の目標値を定めて広告配信することが多いですが、特殊な事情によりそうでない場合は他の入札方式を使うケースも一部あるにはあります。例えば、予算消化を最重要視しながら可能な限りROASを高めたいなら「コンバージョン値の最大化入札」を使いますし、予算消化を最重要視しながらクリック数を増やしたいなら「クリック数の最大化入札」を使います。このあたりの使い分けは、自社の状況・事業戦略などによって判断してください。

なお、自動入札機能を活用した広告配信がベストではありますが、「コンバージョン値が計測出来ない場合」「直近過去1ヶ月のコンバージョン数が少なすぎる場合」は自動入札機能が使用不可であったり、使用できても上手く動作しないことがあります。その場合は、拡張クリック単価入札を使用してください。

ポイント2.地域・言語・デバイス

地域・言語・デバイスは「すべて」を設定するのが推奨です。学習データは多ければ多いほど良いと解説しました通り、学習データをより多く蓄積する為に地域・言語・デバイスに制限を加えるようなことはしないのが基本です。

地域・言語・デバイスを制限しないことで無駄な広告表示回数が増加してROASが悪化することを懸念するかもしませんが、自動入札機能を使っていればそのような心配は不要です。自動入札機能では地域・言語・デバイスという要素もシグナルに含まれていますので、成果に繋がらない地域・言語・デバイスへの広告配信は自動的に抑制されていきます。

ポイント3.オーディエンスリスト

オーディエンスリストを「モニタリング」で追加するのが推奨です。モニタリングでオーディエンスリストを追加することで、ターゲティングには一切の影響を与えずに、自動入札機能がその機械学習の学習データの1つとしてオーディエンスリストごとの成果を加味するようになります。加味するものが増えれば、自動入札の精度がより向上します。

なお、追加すべきオーディエンスリストは、「検索広告向けリマーケティング(RLSA)」と「検索広告向け類似ユーザー(SAS)」と「カスタマーマッチ」のオーディエンスリストになります。十分なリスト数がないオーディエンスリストもあるかもしれませんが、十分なリスト数があるものはすべてキャンペーンに追加しておきましょう。

商品フィード最適化に関する5つのポイント

商品フィードの最適化は、「1つ1つの商品に対して、できるだけ多くの商品情報を盛り込むこと」が鍵になります。情報があればあるほどシステムは商品情報を正しく理解することができますので、ショッピング広告での成果があがりやすくなるからです。その為、商品フィードに記述する属性は多いほど良いですし、各属性に対する値も情報量が多いほど良いということになります。

ただし、それでは掴みどころがないですし、重要度の高いことに限られたリソースを集中化させて効率よく成果をあげるということにもなりません。ですので、ここでは商品フィードの記述する属性の中でも「重要度の高い属性」について最適化の内容をまとめます。

ポイント1.title [商品名]

title[商品名]には、「商品の名称」に加えて「ブランド」「プロダクトタイプ」「属性(色やサイズなど)」を記述しましょう。画像を見ただけでは分からない要素をしっかりと記述しておいて下さい。その際、英語表記されている文言はカタカナ表記にしておくことをお勧め致します。

なお、重要な要素はtitle[商品名]の冒頭に記述するのが良いです。冒頭に入っている要素の方が重要な情報であるとGoogleのシステムは判断しますので、重要な要素に関する検索語句を含む検索をユーザーが行った場合にしっかりとショッピング広告を表示することに繋がるからです。

ポイント2.description [商品説明]

description[商品説明]には、コンバージョン獲得に貢献している検索語句を含めながら、最大5,000文字を可能な限り多く使って説明文を記述しましょう。title[商品名]と同じく、重要な内容は冒頭に含めるよう心掛け、description[商品説明]の冒頭の150~500文字以内に重要な内容を記述して下さい。

なお、title[商品名]に記述した「商品の名称」「ブランド」「プロダクトタイプ」「属性(色やサイズなど)」もdescription[商品説明]の後半に再度記述しておくのが良いです。再度記述することで、その内容の重要度が高いことをGoogleのシステムに認識させます。

ポイント3.google_product_category [Google 商品カテゴリ]

google_product_category[Google商品カテゴリ]には、最低3階層のカテゴリレベルを設定しましょう。詳細なカテゴリレベルを設定することで、その商品アイテムがどういったものなのかをGoogleのシステムに正しく認識させるのが狙いです。

正しく商品アイテムの情報をGoogleのシステムに認識させることで、購入の確度が高いユーザーへの広告表示確率が高まり、それに伴ってクリック率やコンバージョン率が向上します。クリック率やコンバージョン率が向上すれば、ROASやCPAが改善することは言うまでもありません。

ポイント4.image_link [画像]

image_link[画像]には、800×800ピクセル以上の画像を登録しましょう。小さすぎる画像をimage_link[画像]に登録している場合、ユーザーの環境によっては商品の画像が荒く表示されてしまうからです。例えば、大きな画面のモニターを使用しているユーザーに小さすぎる画像を表示しようとすると、画像が荒く表示されてしまうなどです。

なお、image_link[画像]には「商品だけが写った画像」を登録して下さい。プロモーショナルテキストを画像の中に書いてしまうケースをよく見ますが、画像の中に文字を書き込むのはポリシー違反となります。また、画像そのものに特殊な加工を加えることもNGとなります。image_link[画像]には「商品だけが写った画像」を登録してください。

ポイント5.その他、推奨属性も全て設定する

ポイント1~4では、必須属性の中でも重要度の高い改善部分について解説しました。商品フィードは定期的に内容を見直して改善していくものですから、工数と効果を考えた際に「まずはポイント1~4の内容を実施する」という判断もありえます。

それはそれで良いのですが、商品フィードの最高な状態を目指すのであれば、必須属性以外の「推奨属性」に関しても可能な限り設定・記述しておきましょう。Googleのシステムに認識させる情報量の多さに比例して、より良い広告配信に繋がるからです。つまり、Googleのシステムに認識させる情報が多ければ多いほど、購入の確度が高いユーザーへしっかりと広告表示するようになるということになります。

広告運用時の調整方法

広告運用時の調整に関して、基本的には「成果の確認」「無駄な広告表示の抑制」「入札単価の調整」を順に行っていきます。なお、ショッピング広告は、主にキャンペーン設定と商品フィード情報により広告配信自体は自動で行われますので、調整可能箇所は多くありません。だからこそ、調整可能箇所に関しては定期的に調整の見直しを実施していきましょう。

全体から細部までの成果を順番に確認する

Google広告の管理画面で設定内容を調整する場合、最初に行うことは「成果の確認」です。成果がどうなっているかを把握せずに調整内容を決定するのは不可能ですので、KPI目標に対してどのような成果になっているのかをまずはしっかりと確認していきましょう。

※Google広告アカウント構成イメージ
Google広告アカウント構成

Google広告アカウントを構成する要素に対して、大きな要素から小さな要素へ向かって順に成果を確認するのが一般的です。具体的には、「キャンペーン」「広告グループ」「商品グループ」「商品」の順に成果を確認する形となります。

このような順で確認するのは、「全体としての成果を把握しながら、調整対象を見極める為」です。「キャンペーン」として成果に問題が無ければ大きな問題はないことになりますので、その先の「広告グループ」「商品グループ」「商品」で細かくどの粒度で調整が必要そうかを確認します。

除外キーワードを設定する

検索クエリレポートを確認し、成果に繋がらないと思われる検索クエリでの広告表示を発見したら、その検索クエリをキャンペーン単位か広告グループ単位で除外キーワードとして設定してください。特に、ショッピング広告の広告掲載を開始したばかりの時期では、成果に繋がらないと思われる検索クエリが散見されるはずですので、必ず除外キーワード設定の対応を行いましょう。

もちろん、自動入札機能を活用した広告運用を目指していきますので、成果に繋がらないような不要な広告表示は自動的に抑制されていきます。これは「成果に繋がらない検索クエリに対しては広告表示を自動的に抑制する」ということも含みますが、成果へ明らかに繋がらないと思われる検索クエリに対する広告表示は可能な限り早くなくしたいと思うはずです。

また、早期に無駄な広告表示を抑制して成果を良くすることで、早期の予算内でのコンバージョンデータ量増加に繋がり、それが早期の自動入札機能の精度向上にもなってきます。自動入札機能の精度が向上する前の段階では、ある程度手動でのコントロールが効果的ということです。

入札単価の調整を実施する

KPIとしているROASやCPAの目標値に対する実際の成果を確認し、目標を達成している状況であれば入札単価を引き上げ、目標を達成していない状況であれば入札単価を引き下げましょう。取捨選択をして、良い部分に予算を集中投下する形です。

なお、拡張CPC入札であれば広告グループ単位・商品グループで細かく入札単価調整が可能ですが、目標費用対効果入札などの自動入札はキャンペーン単位・広告グループ単位での入札単価調整となりますので注意が必要です。

とは言え、細かく入札単価調整できたとしても、手動入札ではリアルタイムで広告オークションへ入札調整を反映することは不可能ですので、成果を良くするという観点ではあくまで「自動入札機能を活用する」のが目指すところではあります。

必要に応じて、広告グループを細分化する

自動入札機能を活用していくことが前提ということを何度も解説してきましたが、自動入札機能を活用するのであれば、入札単価の調整は「広告グループ単位が最小粒度」となります。その為、特定の商品ごと、もしくは特定の商品群ごとに入札単価調整を行う必要がある場合は、広告グループを分けて商品・商品群を管理するようにしましょう。

ただし、あまりに細かく広告グループを分けてしまうと、1つの広告グループで得られる広告配信データが少なくなりすぎることにより、自動入札機能が上手く動作しなくなる恐れがあります。機械学習を活用している自動入札機能には大量の学習データが必要ということを解説しました通り、得られる広告配信データが少ない広告グループでは「学習データが少なすぎて自動入札機能が正常に機能しない」ということが起こるからです。

例えば、「広告が全く表示されない(もしくは、広告の表示回数が増加していかない)」「クリック単価の増減が激しすぎる」「ROASやCPAが全く安定しない」などといったことが起こるということです。きめ細かく広告グループを分けて商品・商品群を管理すると、気持ち的には何となく良い仕事をした気になるものですが、必ずしもより良い成果を出すということには繋がりませんのでくれぐれもご注意ください。

ショッピング広告は確度の高い見込客をサイトへ誘導できる

Google広告のショッピング広告を最適化する方法について解説しましたが、広告運用に加えてデータフィード作成も行う必要があるなど、作業工数は少なくありません。その為、そもそもショッピング広告を実施する価値はあるのかと心配する方もいることでしょう。

しかしながら、その答えは「ショッピング広告は実施する価値がある」となります。なぜなら、ショッピング広告はクリックの質がとても高く、更に広告の露出度の向上が期待できるからです。

クリックの質が高い

ショッピング広告の広告フォーマットは、商品画像と価格とテキストで構成されています。つまり、注文の意思決定に大きな影響を与える「商品内容と価格」を認識した上で、ユーザーは広告をクリックしているということになります。

その為、通常の検索連動型広告と比較しても注文に至る可能性が高く、かつ広告クリックから注文完了に至るまでのコンバージョンラグも短くなる傾向にあります。よって、クリックの質が高いということになります。

広告の露出度が向上

広告は「広告掲載可能な1ページにつき、1社あたり1つの広告だけ表示される」のが基本です。例えば、Google検索の検索結果ページでは、検索連動型広告の広告枠には1社あたり1つの広告しか掲載できません。ここへ1社が複数の広告を掲載することは基本的にできなくなっています。

しかしながら、ショッピング広告では、広告掲載可能な1ページに1社の広告が複数表示されることがあります。更に、通常の検索連動型広告とショッピング広告が同時掲載される場合もあります。広告掲載可能な1ページあたりの占有率を上げることで広告の露出度が向上し、ユーザーからの視認性が向上しますので、結果として集客効果が大きく向上します。

データフィード最適化から広告運用まで支援致します

先に述べました通り、ショッピング広告は実施する価値のある広告です。通販を行っているのであれば、ショッピング広告を実施しない手はありません。しかしながら、データフィード最適化や広告最適化の手間はどうしてもかかってしまいます。

そのような「手間」に関してお悩みの場合、是非ともニフティライフスタイル株式会社へご相談ください。ニフティライフスタイル株式会社では、経験豊富なメンバーがデータフィード最適化から広告運用までの支援を行っています。

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上記どちらも多くの企業様にご好評いただいているサービスとなります。気になる点がございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。